嵐 の 予 感




いきなり前回までのあらすじ!

前回のイベントでは、ヤクト司教さまがいらしゃらなかった為に、いったんはFoAを抜け、魔王軍に加入したとりきち。
しかし、魔王キョウイチは騎士の前に敗れ去り、魔王軍は瓦解してしまった。
ごく普通の青ネームへと戻ってしまったとりきち。妹のタニアはこれを機にまっとうになれと怒り、Rubbish店長のクララや店員のテレサなどは、「弱いんだからいいかげんにしておきなさい」などととりきちを冷たい目で見るのであった・・・・・
確かにとりきちは弱い!トラメラー属性のうえに、なんちゃって戦士としかいいようのない、へっぽこぶりではGMクラスである。しかし!

「一人のどんな強い勇者も、100人でワンド攻撃すれば倒せます」

質より量を説いたヤクト司教さまのあの言葉に深い感動を覚えたとりきち。所詮、自分は小悪党。正義をきどるほど強くもないし、傭兵になれるほどの己を保っているわけでもなく・・・・勇者を倒す1/100になれるのならいいのではないか・・・

「それって卑怯な手というのでは?」
クララの問いにとりきちはくすりと笑った。
「悪だから、卑怯な手段は使って当然じゃない。・・・・クララちゃんもFoAに入らない?面白いよぉ」
「お断りいたします。・・・・・いいけれど・・・タニアちゃんは騎士さまと親交あるんだからね。タニアちゃんの立場が悪くならないようにしてね。それにうちのお店はあちらと現在、皮の取引話をすすめているのよ。」
「そんなの知ったことじゃないねっ。そういうのであの子とのつきあいを騎士たちがやめるっていうんなら、それはそれで騎士サマの度量の狭さがでるだけじゃあない」
「・・・・・そういうこというから・・・・タニアちゃんも、遠慮なくしばき倒してくださいとかって言うんだと思うんだけど・・・・・。もう少し仲良くならないの?」
「妹っていうのはねぇっ!姉のものは自分のものだと思い込んで、何かあったらべぇべぇ泣いて、すぐに甘えて聞いてもらえなかったらぐれる、どうしようもない生き物なのよっ!なんでそんな子のために、私が我慢せなならんのだっ!」
「・・・・・・・・まぁ、いいけれど。皮の取引はタニアちゃんが言ってくれているけれど、うちのお店の問題なの。これでうまくいかなくなったら・・・・・・わかってる?」
にっこり笑うクララの表情に、背筋がすぅっと寒くなる思いをしながらも、とりきちはいつものように頷くことはできないのであった・・・・・



(注:このあらすじにはいつもより五割増の主観と捏造がくわえられております)


その日・・・・・皮の取引の話をするために出かけたタニアは、すぐさま浮かない顔して戻ってきた
「どうしたの?皮の取引の話をあんたみたいなのとはできんと突っぱねられたの?」
「むぅっ、何言うのよっ。そうじゃないもんっ。公国にお伺いしたら、どなたもいらっしゃらなくて、SSTに行ったら、なんだか深刻な話だったから、帰ってきたんだもんっ」
「深刻な話?」
「うん。ロザリンド様はいらっしゃらなかったし、SSTの市長さまとアーサー王さまたちと・・・・なんだかすごく深刻な話していたから・・・・」

別れの言葉を述べる市長

「で、どんな話だったわけ?」
「・・・・・よくわかんない・・・・・むずかしぃお話していたもん」
タニアの言葉にとりきちは軽く舌を打ち、罵倒しようとするがふと思い直した。
この妹がもうちょっと思慮深かったら、SSTのこんな話を自分にはしなかっただろう。そう思えばお馬鹿だが、都合がいいということになる。
(騎士サマたちから愛想つかされるっていうなら、私がどうこうじゃなくこのお馬鹿さのせいだろうなぁ)
「ちょっと出かけてくるよ」
文句をいいたそうなタニアを残して、とりきちはSSTへとリコールを唱えた・・・・・


SST酒場はタニアの言ったような深刻そうな場面というのはなかった。しかし、その残り香のような雰囲気がただよっていた。
「なにかあったの?」
「ええ・・・・まぁ。よくはわからないんですけれど・・・・・」
とはいえ、SSTの関係者でもないとりきちに話すことではないという雰囲気だった。まぁ、それは無理もないだろう。
「ところで、とりきちさんってFoAでは?」
「ああ・・・イベントで、便宜的に魔王軍にいたからね。そのうちまた戻るよ。」
本来なら敵だが、現在は青ネーム。それゆえか騎士側の人間が声をかけてくる。


「あ、ロザリンドさま」
ちょうどその時、公国の公女、ロザリンドが姿を現した。タニアもまたタイミングが悪かったのだろう。帰らずにもうちょっと待てば会えたというのに・・・・。
妹に知らせてやろうか・・・・そう思ったときだった。

『この間はすまない。リアルの都合で出席できなかった』

頭の中に響く声・・・・ヤクト司教の声。


「それで妹様との皮の取引なのですが・・・・・」
「あ、ああ・・・・・」
本来なら妹と替わってあげるべきなのだろう。だが、せっかく多忙な司教からの連絡最中である。
とりあえず、皮の取引の話を妹が考えていたことを述べ、詳しい話は後日・・・ということにしたのは
ここで自分では話ができないと突っぱねてしまった場合の妹の悲しむ姿を思い浮かべたわけではない。
店長クララのあの背筋が寒くなる微笑を思い出したからである。
「まぁ、詳しい話は妹の都合がいい時にでも・・・・・」
悪い人たちでないことは十分わかっている。妹の言うとおり、いい人たちなのだろう。
だが・・・・それでも、心が惹かれないのである。正しいことが面白いというわけではないのだ。


その時、酒場の中にゲートが開いてロードヤクト・・・・闇司教、ヤクトの姿が現れた・・・・・・・
「司教さま〜」
「ヤクト!」


公国の公女がその姿を認めたとたんに、身構える。とりきちはとっさに司教の側へと駆け寄った。



そう言うのも無理はない・・・・・。ナルシヴァル大公・・・・彼女の父の仇が、目の前にいるのだ。
とりきちが司教の側にたつ姿に、バイロン卿が忌まわしげに首を降る。
「さきほどのRBの話はなかったことにしてもらおう」
そう・・・バイロン卿の作成したデートスポットRBを購入するという話がでていた。妹にやれば喜ぶだろう。
すこしは良心の呵責があったのでうけたのだが、やはりどうも妹の邪魔をしてしまうようだ・・・・。
少しだけとりきちは妹に良心の呵責を感じた。ほんの少しだけ・・・顔を見合わせればふっとんでしまうくらいのものである。


このまま刃が交わされてもおかしくはなかった。しかしここはSST酒場。中立地帯。
ここで刃を交わすことは許されない場所なのだ。
悔しさにロザリンドは肩を振るわせたその時。聖徳の王国の騎士団長、ミルスティン卿が階上から姿を表した。





司教に会って話をしたい者がいるというのだ。
他の者ならいざしらず、騎士団長を通して会話を望むなど、予想がつかないことであった。
司教はいつものように嘲笑めいた笑みを頬に浮かべた。


上の台詞を信じるものは誰もいない・・・・・・


しらじらしい言葉に、潔癖な公女は司教に嫌悪の表情をあらわにした。


まったくもってその通りです・・・・


しかし、騎士団長が間にはいっている。それ以上、何もいうことはできずに、司教はすすめられるまま、階上へとあがる。
とりきちはそのまま、司教に従って後を追った。


その場所にいたのは・・・・傭兵『赤の団』のシャレン・・・・・先日のブラックソーン城での決戦に際し、騎士団に雇われて武功をたてた彼女であった。




そう司教に恐れもなく、くってかかる彼女。その姿にある噂がとりきちの頭に浮かんだ。
傭兵たちは金さえ払えば、正義も悪もなく雇うことが出来る。以前・・・・彼女は闇司教ヤクトに雇われていたことがあったという。だが、司教はその支払いをうやむやにして、賃金を未払いのままだった・・・・だからこそ、前回の戦いでは彼女たちが騎士団に雇われたという噂であった。




いつもならば何かしか言うであろう司教が聞いている・・・・ということは噂は本当だったのか・・・・
(司教さま・・・・せこいです・・・・・司教さまらしいですが・・)


いくら悪とはいえど、シャレンの話は筋が通っていた。まがりなりにも平和と話合いを愛する男と述べたばかりだ。
司教はシャレンに対する支払いを約束し、その話は終わった・・・・・



魔王キョウイチは死亡し、平和が訪れようとしているかに見える・・・・・・
しかし、SSTではなにやら動きが起こり、ユーでは混沌を象徴したかのような漆黒の騎士団が誕生した。
またキョウイチの弟の、キョウスケが現われキョウイチの葬儀が営まれることになったとも聞く。



果たしてイズモの地が、これからどこに向かうのかは誰にもわからない。
嵐が再び、このイズモの地を吹き荒れる予感だけを残して・・・・


教えを説く闇司教


そしてとりきちは心の惹かれるまま、闇司教の洗礼をうけ、再びFoAに入信したのであった。

(本日はRP風にての番組をお知らせいたしました。ご意見・苦情はとりきちまでお寄せください)
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